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フード宅配、「3社時代」に突入。「お店と同価格」の消耗戦で、個人店は何を守るべきか

何が起きているのか:乱立期の終わり

https://www.jiji.com/jc/article?k=2026110300463&g=eco&p=20261103ax07S&rel=pv

時事ドットコムニュース
フード宅配、淘汰の波 ウーバー「1強」に懸念も

https://www.jiji.com/jc/article?k=2026110300463&g=eco&p=20261103ax07S&rel=pv#goog_rewarded


今回はこちらの記事についてミセクリ的に解説していきます。

コロナ禍で一気に広がったフードデリバリーは、一時は7社以上が顧客獲得を競う状態でした。ところがいま、業界は大きく姿を変えています。

  • 今年3月にWolt(ウォルト)がサービス終了
  • 9月末にmenu(メニュー)も終了
  • 残ったのは、ウーバーイーツ、ロケットナウ、出前館の3社

報道によると、ウーバーイーツの月間アクティブユーザー数は約620万人で、国内シェアの過半数を占めます。昨年参入したロケットナウは、送料やサービス料がかからない「お店と同価格」を1万店以上で展開して急成長し、MAUで2位に浮上しました。出前館は8期連続の最終赤字と、厳しい状況が続いています。

「お店と同価格」が意味するもの

利用者にとっては、店頭と同じ値段で届くのだからありがたい話です。しかしお店側から見ると、少し違う景色になります。

宅配には、配達員の報酬、決済、集客、アプリの運営といったコストが必ずかかります。利用者が送料やサービス料を払わなくなれば、そのコストは誰かが別の形で負担しているはずです。その原資は、プラットフォームの持ち出し(赤字)か、お店が払う手数料のどちらかになりやすいと考えられます。

プラットフォームの持ち出しは、いつまでも続きません。出前館の赤字や、クーポン施策が重荷となって撤退した各社の例がそれを物語っています。価格競争が落ち着いたとき、そのしわ寄せがお店側の条件変更として来る可能性は、頭に入れておくべきです。

さらに、ロケットナウの参入でウーバーや出前館も「お店と同価格」での提供を余儀なくされました。1社が仕掛けた値下げ競争が、業界全体に広がった形です。有識者は、価格だけの競争になれば資金力のある企業が市場を独占し、長期的には利用者も飲食店も不利益を被りかねないと警鐘を鳴らしています。

個人店にとっての3つのリスク

1. 手数料・条件が一方的に変わるリスク
寡占が進むほど、プラットフォームの交渉力は強くなります。「3社しかない」状況では、条件が厳しくなっても簡単には降りられません。

2. 売上は立つのに利益が残らないリスク
宅配の注文が増えても、手数料、容器代、梱包の手間、ピーク時の厨房負荷を差し引くと、店内飲食より利益が薄いことは珍しくありません。「注文が入っている安心感」が、実は赤字を覆い隠していないか確認が必要です。

3. お客様が「お店のお客様」にならないリスク
アプリ経由のお客様は、お店ではなくプラットフォームのお客様です。連絡先も購入履歴も手元に残らず、アルゴリズムや表示順位が変われば注文も変わります。

これから取るべき「3つの線引き」

私は、宅配を「やる・やらない」で考えるより、線を引いて使う考え方をおすすめします。

① 利益の線引き:宅配専用の原価計算をする
店内メニューと同じ価格・同じ盛りで出していませんか。手数料と容器代を引いたあとの粗利を、メニューごとに出してみてください。利益が出ない品は宅配から外す、宅配用に価格や構成を変える、という判断ができます。

② 依存の線引き:売上の上限を決める
全体売上のうち宅配が何割を超えたら危険か、先に決めておきます。1社への依存度が高いほど、条件変更に抵抗できなくなります。

③ 顧客の線引き:自店の窓口を育てる

  • LINE公式アカウントやSNSで、直接つながれる導線を用意する
  • 電話・Web予約によるテイクアウトを整える
  • 宅配で出会ったお客様に、容器やチラシで自店の連絡先を伝える

宅配を「集客の入口」と割り切り、リピートは自店の窓口で受ける設計です。手数料がかからない分、利益率も大きく変わります。

小さなお店だからこそ持てる強み

大手の価格競争に付き合う必要はありません。同価格の勝負では、安さや便利さは差別化になりません。個人店が勝てるのは、「あの店の、あの一品」と指名される理由がある場所です。

  • そこでしか食べられない看板メニューがある
  • 店主の顔や物語が見える
  • 冷凍やお取り寄せなど、アプリに頼らない販売経路がある

アプリ上で価格の並びに埋もれるのではなく、指名で選ばれる側に回ることが、今回の再編への最も根本的な備えだと考えています。

まとめ

  • 宅配業界は乱立期を終え、ウーバー、ロケットナウ、出前館の3社に集約されつつある
  • 「お店と同価格」の競争は、長期的にお店側の条件悪化につながる懸念がある
  • 宅配は「利益」「依存」「顧客」の3つで線を引いて使う
  • 最終的な防衛線は、指名で選ばれる理由と、自店で直接つながる窓口

今回のニュースは、宅配を使う側のお店にとって「条件が変わる前に、自店の足元を固めておくサイン」と受け止めるのがよさそうです。

出典:時事通信配信記事(Yahoo!ニュース、2026年11月4日)、センサータワー調査(MAU)

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