先に言います。過去の「上位10%」は、今の利益を保証しません。
2021年8月から2023年4月にかけて、私の店は何度もUberから「東京エリアで上位10%」の通知を受け取りました。当時のデリバリーでの収入は、店の認知をあげ、売上によって収益を助け、働く側からするとお店が忙しい時に対応が大変だ、とかお客様の顔が見えないのでやりがいを見出しにくい、、、などありがちな問題点は抱えつつもたしかに良いものでした。そうであれば、スタッフたちも最初は難色を示したとしても徐々に自分たちで仕事を見出しながらなんだかんだやっていけるものです




ところが今は、同じように運営しても利益を出すのが難しくなりました。理由は大きく2つあります。
変わったこと:材料費は上がり、値段は上げにくい
1つ目は、材料費の高騰です。2つ目は、価格転嫁の難しさです。上げたい分を、そのまま掲載価格に乗せられません。
デリバリーでは、この2つが特に重くのしかかります。手数料と広告・オファー費が「売上に対する割合」で引かれるからです。
原価が1円上がると、掲載価格は1円では足りない
費用率(手数料+広告・オファー)が分かれば、計算できます。
必要な値上げ額 = 原価の上昇額 ÷(1 − 費用率)
原価が50円上がった場合、同じ利益を残すために必要な値上げ額は次のとおりです。
| 費用率 | 必要な値上げ額 |
|---|---|
| 35% | 約77円 |
| 50% | 100円 |
原価が50円上がっただけで、費用率50%なら100円の値上げが要ります。店内なら50円で済む話が、デリバリーでは2倍です。
そして、その値上げを、お客さんは受け入れてくれにくい。これが今の苦しさの正体だと私は考えています。
自分の店の数字は、こちらのシミュレーターで確認できます。
→【デリバリーアプリ運営実質手数料シミュレーター | ミセクリ】
守りの細部:1回の設定が、1週間の利益を消す
条件が厳しいと、小さな設定の抜けが致命傷になります。
ある週、スタッフが良かれと思ってキャンペーンに登録しました。その週の明細は、総売上に対して手数料が約34%、広告・オファーが約48%で、入金は約17%でした。
悪いのはスタッフではなく、誰でも触れる設定を放置していた仕組みです。
細部にこだわることがよい循環を生み出す。:デリバリーでも、お客さんを認識していると伝える
値上げが難しいなら、値段以外で選ばれる理由を作るしかありません。
リピーターの方からの再注文は、注文用のタブレット端末で分かります。そのときは、サービスで入れている海苔などの小物に「“いつも”ありがとうございます」と書いたメモシールを貼って届けました。

デリバリーは、お客さんの顔が見えません。だからこそ、「あなたを認識していますよ」と伝わる一言に意味があります。コストはシール1枚で、手数料もかかりません。
対面でなくてもとれるコミュニケーションとしてこちらは、お客さんがSNSにアップしてくれたりなど、とてもうまくいきました。おすすめの方法です。やっぱりこういう所は、手書きがいいですね。
まとめ
- 過去の上位10%は、今の利益を保証しない
- 材料費が上がった分は、費用率が高いほど大きく掲載価格に響く
- 守りの細部:キャンペーン設定などの1回の操作が、1週間の利益を左右する
- 攻めの細部:値段ではなく「認識している」という実感で選ばれる工夫を、小さく積む
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