飲食店の売上アップは何から始める?客数・客単価・リピートを数字で考える

ブランド・マーケティング

「飲食店の売上を増やしたい」

店を経営していれば、一度は必ず考えることだと思います。

売上が少なければ、当然ながら利益も残りません。

だから、

  • 新規のお客さんを増やす
  • リピーターを増やす
  • 客単価を上げる
  • SNSで宣伝する
  • クーポンを出す
  • デリバリーを始める

といった方法を考えることになります。

ただ、実際に飲食店を経営してみて感じたのは、「売上を増やすこと」と「店を良くすること」は、必ずしも同じではないということでした。

売上が増えても、忙しくなっただけで利益が残らないことがあります。

逆に、一見すると小さな取り組みが、売上だけでなく店の認知や口コミ、リピーターにつながることもあります。

この記事では、飲食店の売上を

客数 × 客単価 × 来店頻度

という基本的な構造から考えながら、実際に小さな飲食店を経営してきた経験をもとに、「売上を増やす前に何を見るべきか」を整理します。


この記事では、飲食店の売上を増やす方法について、次のことを解説します。

この記事でわかること

小さな飲食店が「この店だから選ばれる理由」を作る方法

飲食店の売上を「客数・客単価・来店頻度」に分けて考える方法

新規客とリピーターのどちらを増やすべきか考えるポイント

デリバリーやイベントを売上だけでなく認知につなげる考え方

クーポンや値引きに頼りすぎることの注意点

売上が増えても利益が残らないケース

売上アップの前に確認したい飲食店の数字


飲食店の売上は「客数×客単価×来店頻度」で考える

まず、売上を考えるときに大切なのは、漠然と「もっとお客さんを増やそう」と考えないことです。

飲食店の売上は、大きく考えると、

売上 = 来店数 × 客単価

で構成されています。

さらに来店数を、

  • 新規のお客さん
  • リピーター
  • 口コミ・紹介
  • 来店頻度

などに分解していくと、「どこを改善すればいいのか」が見えてきます。

たとえば、

「売上が落ちている」

という状況でも、

  • 新規客が減っているのか
  • リピーターが減っているのか
  • 来店頻度が下がっているのか
  • 客単価が下がっているのか
  • 注文数が減っているのか

によって、やるべきことは変わります。

ここを見ないまま、

「とにかくInstagramを頑張ろう」

「広告を出そう」

「クーポンを配ろう」

としてしまうと、努力の方向がずれてしまいます。


私が店を始めたとき、まず必要だったのは「売上」だった

私自身、店を始めたときは、そんなに悠長なことを考えていられる状態ではありませんでした。

ようやく自分の店を持った。

ところが、そもそも誰にも店を知られていない。

お客さんが来ない。

当然、スタッフも不安になります。

自分についてきてくれると思っていた人が、最後のところで以前の店に戻ってしまったこともありました。

「生活を捨ててまで、この人についていくことはできない」

そんな判断をされたのだと思います。

正直、悔しかった。

だから最初は、

「この店でやっていけることを証明したい」

という気持ちもかなりありました。

きれいな経営理論から始まったわけではありません。

まずは、お客さんに来てもらわなければならなかった。

そこから、いろいろなことを試しました。


売上を増やすために、実際にやったこと

1.デリバリーを伸ばした

最初から「デリバリーが自分の店の理想的な形だ」と考えていたわけではありません。

むしろ、やらざるを得なかったという感覚に近いです。

ところが、やってみると面白いことが起きました。

デリバリーそのものの売上だけではなく、

「この店が存在していることを知ってもらう」

という役割も果たしてくれたのです。

自店では、あるブランドでデリバリー月商150万円を超えたことがあります。

売上として大きかっただけではありません。

それまで店を知らなかった人に、

「こんな店があるんだ」

と知ってもらう入口にもなりました。

つまり、デリバリーを単純に、

「店内売上とは別の売上」

と考えるのではなく、

売上を作りながら認知を広げる手段

として見ることができたわけです。


2.K-POPイベントの会場として店を使ってもらった

もう一つ、大きかったのがイベントです。

K-POPのファンの方々に、店を推し活のイベント会場として使ってもらいました。

これも、単純に「イベント売上を取ろう」という発想だけではありません。

イベントには、

「その店に行く理由」

があります。

普段なら店に来ない人でも、

「このイベントがあるから行く」

という理由ができる。

そして、イベントに参加した人がSNSで発信してくれる。

すると、その人の周りにいる別の人にも店が知られていく。

これは非常に大きかったです。

売上を作りながら、認知も作る。

さらに、人と人のつながりまで生まれる。

今振り返ると、こうした取り組みは単なる「集客施策」ではなく、

店と人が出会う接点を増やしていた

のだと思います。

どのようにイベント会場としてある程度の集客力をもったサークルの方々が当店を使ってくれたのか?それはまた、別の機会に書きたいと思いますので乞うご期待!


「安くすれば売れる」とは考えなかった

売上が欲しいとき、クーポンや値引きは非常に分かりやすい方法です。

「10%OFF」

「初回限定」

「クーポン利用で○○円引き」

などです。

もちろん、こうした方法が有効な店もあります。

ただ、私はできるだけ、

「安いから来てもらう」

という売り方には頼りたくありませんでした。

なぜなら、小さな店が価格だけで勝負すると、かなり苦しくなるからです。

値段を下げれば、その分だけ利益が減ります。

さらに、

「安いから来る」

という理由で来た人は、もっと安い店があればそちらへ行く可能性もあります。

だから、

「この店だから行く」

という理由をどう作るか。

ここは、小さな店ほど考えたほうがいいと思っています。


リピーターを増やすために必要なのは「また来てください」だけではない

リピーターも、飲食店の売上を考えるうえで非常に重要です。

ただ、

「どうすればリピーターになってくれるだろう?」

と考えるだけでは、少し足りない。

私が実際にお客さんと接していて感じたのは、

接客中に、その人の話を聞けるかどうか

がかなり大きいということでした。

仕事の話。

住んでいる場所。

最近あったこと。

好きなこと。

そういう話をしていると、単なる「飲食店と客」という関係から少し変わってきます。

「またこの人に会いたい」

「ここに来ると落ち着く」

「この店なら話せる」

そういう感覚が生まれることがあります。

もちろん、すべてのお客さんと深く関係を作ればいいわけではありません。

距離感を間違えれば、むしろ逆効果です。

でも、小さな店には大きなチェーン店とは違う、

人と人との関係を作れる余地

があります。

これは、小さな飲食店の大きな資産だと思っています。


「忙しいのに儲からない」を実際に経験した

ここは、飲食店の売上について考えるうえで、かなり重要なところです。

私は実際に、

「売上はある。でも、全然儲からない」

という経験をしました。

例えば、新しく借りた場所でゴーストレストランをやったことがあります。

注文は入る。

仕事もある。

一見すると順調に見える。

ところが、家賃や人件費、食材費などを考えると、

利益を出すことが非常に難しい。

また、オフィス向けの弁当も、注文をもらって仕事自体は確保できました。

でも、

「これだけ働いて、この利益なのか」

という問題が残りました。

これは飲食店経営をしていると、本当に重要な問題です。


売上が増えても、利益が増えるとは限らない

例えば、

月商100万円だった店が、

月商150万円になったとします。

数字だけを見ると、50万円増えています。

「売上アップ成功!」

と考えたくなります。

でも、その50万円を作るために、

  • 食材費が20万円増えた
  • 人件費が15万円増えた
  • デリバリー手数料が増えた
  • 包材費が増えた
  • 広告費が増えた
  • 店主の労働時間が大幅に増えた

となれば、実際に残るお金はそれほど増えていないかもしれません。

場合によっては、売上を増やしたことで経営が苦しくなることさえあります。

だから、

売上を見るときには、必ず利益まで見る。

これは飲食店経営では当たり前のようで、実際には非常に難しいことだと思います。


飲食店の売上アップで最初に見るべき数字

売上を増やしたいなら、まず最低限、次の数字を把握したいところです。

① 来店数

どれくらいのお客さんが来ているのか。

新規とリピーターも可能な範囲で分けて見ます。

② 客単価

1人のお客さんが平均していくら使っているのか。

③ 来店頻度

リピーターがどれくらいの頻度で来ているのか。

④ 原価

売上に対して、食材などにいくら使っているのか。

⑤ 人件費

売上を作るために、どれくらい人件費がかかっているのか。

⑥ 固定費

家賃など、売上に関係なく発生する費用はいくらなのか。

⑦ 最終的にいくら残ったか

結局、店にいくらのお金が残ったのか。

この最後の数字を見ないと、

「売上が上がった」

という事実だけに喜んでしまいます。


本当は、もっと早く「数字を見る習慣」を作ればよかった

私自身、経営をしていて、

「数字を正確に出す仕組みを作って、数字を見る習慣をもっと早く作ればよかった」

と思っています。

飲食店は、毎日やることが多い。

仕込み。

接客。

発注。

スタッフ管理。

掃除。

SNS。

クレーム対応。

売上管理。

そして、店主自身も現場に入っている。

その結果、

「忙しいから、あとで数字を見よう」

となりやすい。

でも、「あとで」はなかなか来ません。

だからこそ、経営者が感覚だけで判断しないためにも、

数字を見ること自体を仕事として仕組み化する

必要があります。


では、売上を増やすために何をすればいいのか

ここまでを整理すると、売上アップの方法は大きく分けて、

客数を増やす

  • 新規客を増やす
  • 口コミ・紹介を増やす
  • 認知を広げる
  • 店に来る理由を作る
  • デリバリーなど新しい販売経路を作る

客単価を上げる

  • メニュー構成を見直す
  • セット・追加注文を作る
  • 商品そのものの価値を高める
  • 「高くても選ばれる理由」を作る

来店頻度を上げる

  • 再来店する理由を作る
  • お客さんとの関係を作る
  • 店を生活の中に組み込んでもらう
  • 常連客が誰かに紹介したくなる状態を作る

ということになります。

ただし、全部を一気にやる必要はありません。

むしろ、

「今、自分の店ではどこが一番弱いのか」

を見つけることが先です。


「何を売るか」より「なぜこの店に来るのか」を考える

私自身、飲食店をやっていて今でも課題だと感じるのが、メニューです。

料理のジャンルに縛られすぎて、

「本当にお客さんが求めているものは何なのか?」

を十分に考えきれなかった部分があります。

店主は、

「自分はこれを売りたい」

と考えます。

でも、お客さんは必ずしもそれを求めているわけではありません。

だから、

「自分が作りたいもの」と「多くの人が食べたいもの」の重なる場所

を探す必要があります。

これは、飲食店だけの話ではありません。

商売とは、

自分のやりたいことを、そのまま売ることではなく、自分だからできることと、相手が欲しいものを接続すること

だからです。


小さな飲食店ほど「その店にしかない理由」が重要になる

大手チェーンには、大手チェーンの強さがあります。

価格。

店舗数。

広告。

知名度。

仕組み。

小さな店が同じ土俵で戦う必要はありません。

むしろ、

「なぜ、この店に行くのか」

という理由を作ることが重要です。

それは、料理かもしれません。

店主かもしれません。

空間かもしれません。

地域との関係かもしれません。

スタッフかもしれません。

イベントかもしれません。

あるいは、その店に行くことで得られる時間そのものかもしれません。


私が最後に大切だと思うのは「店に愛があるか」

少し抽象的に聞こえるかもしれません。

でも、私は飲食店には、

「愛」という調味料がある

と思っています。

料理がおいしい。

サービスがいい。

価格が適正。

店内がきれい。

もちろん、それらは大切です。

でも、それだけでは説明できない店があります。

なぜか人が集まる。

なぜかスタッフが楽しそうに働いている。

なぜかお客さんが誰かを連れてくる。

なぜか店主が長く続けられる。

そこには、

「この店を大切にしている」

というものが、どこかに表れているのだと思います。

それは精神論ではありません。

店主が店を大切にするから、

料理を考える。

接客を考える。

スタッフを大切にする。

お客さんを見る。

地域との関係を作る。

続けるために数字を見る。

そうやって、具体的な行動に変わっていく。

だから私は、

店に「愛」があるかどうかは、経営にも影響する

と思っています。


飲食店の売上を増やす前に考えたい5つの質問

最後に、売上を増やしたいと思ったとき、私ならこの5つを考えます。

1.誰に来てほしいのか?

「できるだけたくさんのお客さん」ではなく、

自分の店を必要としてくれるのは誰なのか。

2.なぜ、その人はこの店に来るのか?

価格なのか。

料理なのか。

場所なのか。

人なのか。

体験なのか。

それとも、まだ自分でも言語化できていない理由なのか。

3.なぜ、もう一度来てくれるのか?

一度来てもらうことと、また来てもらうことは違います。

4.売上が増えたとき、本当に利益も増えるのか?

売上だけではなく、

原価、人件費、家賃、手数料などを含めて考える。

5.この店は「自分だから」作れるものになっているか?

ここが、一番大切かもしれません。


売上アップの答えを、外だけに探さない

飲食店を経営していると、

「売上を増やすにはどうすればいいですか?」

という答えを、どうしても外に探したくなります。

Instagramなのか。

Googleマップなのか。

広告なのか。

クーポンなのか。

デリバリーなのか。

予約サイトなのか。

もちろん、そうした手段を知ることは大切です。

私自身も、デリバリーやイベントなど、外から見れば「集客施策」と呼べることをたくさんやってきました。

でも、最終的に思うのは、

方法より先に、「自分はどんな店を作りたいのか」を考えたほうがいい

ということです。

売上を増やす方法は、たくさんあります。

でも、

「あなたの店を選ぶ理由」

は、あなたの店にしか作れません。

だから、数字を見る。

お客さんを見る。

自分を見る。

その3つを行ったり来たりしながら、

「この店だから来たい」

と思ってもらえるものを作っていく。

小さな飲食店の売上アップは、結局そこから始まるのだと思います。

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