2026年9月18日金曜日。本日はこちらの記事から読み解いていきたいと思います!高級ラインのうどん店 特に東京だと六本木やソラマチにあって、上階の素敵なロケーションの店舗もありよく利用させてもらいますがいつも賑わっている印象です。

128億円のM&Aから見える、会社の「成長」の本当の意味
「つるとんたん」が128億円で買収される。
このニュースを見て、少し不思議に感じた人もいるかもしれない。
なぜなら、「つるとんたん」は不振になったブランドを買収する話ではないからだ。
むしろ、東京・大阪を中心に知名度が高く、海外にも展開している人気ブランド。2026年6月には東京ソラマチにも新店舗を出している。
それなのに、なぜ運営会社は売るのか。
そして、なぜサンマルクホールディングスは128億円もの金額を払ってまで買うのか。
ここには、会社経営における非常に重要な考え方が隠れている。
それは、
「良い事業を持っていること」と、「その事業を自分が持ち続けること」は、必ずしも同じではない
ということだ。
「売る=失敗」ではない
私たちは、会社や店舗が売却されるニュースを見ると、
「業績が悪かったのかな」
「経営が苦しくなったのかな」
と考えがちだ。
もちろん、そういうM&Aもある。
しかし今回の「つるとんたん」のケースは、記事で紹介されている情報を見る限り、そう単純な話ではない。
「つるとんたん」を運営するカトープレジャーグループ(KPG)は、ホテル・旅館・レストランなどを幅広く展開している企業だ。
そのKPGが、「つるとんたん」をさらに自社で拡大するのではなく、サンマルクHDに譲る。
ここで重要なのは、
「つるとんたんに成長余地がないから売った」のではなく、「自分たちが次に伸ばすべき事業と、つるとんたんをさらに伸ばせる会社が違った」
という見方ができることだ。
つまりこれは、
事業の失敗ではなく、資本と経営資源の再配置
と考えたほうが分かりやすい。
KPGは「つるとんたん」より、次の成長を選んだ
企業には、限られた経営資源しかない。
お金。
人材。
経営者の時間。
店舗開発のノウハウ。
ブランドを育てる力。
そして、何より「経営者がどこに集中するか」という経営資源だ。
一つのブランドがどれだけ優秀でも、それを永遠に自社で持ち続けることが正解とは限らない。
KPGにとって「つるとんたん」は、すでに一定のブランド力を持った事業だった。
だからこそ、その事業を128億円という価値に変換し、その資金や経営資源を別の成長領域に振り向ける。
記事では、KPGが1000億円企業を目指し、ホテル・リゾートを含む総合レジャー事業の拡大を進める方針が紹介されている。
ここが非常に面白い。
会社の目的を、
「このブランドを永遠に大きくする」
ではなく、
「会社全体の価値をどう最大化するか」
と考えているからだ。
一方、サンマルクHDは「時間を買った」
では、なぜサンマルクHDは128億円を払うのか。
ここにもM&Aの本質がある。
企業が新しいブランドを作るには時間がかかる。
商品を開発する。
店を出す。
人材を採用する。
教育する。
顧客を獲得する。
ブランドを認知させる。
失敗と改善を繰り返す。
そして、ようやく「この店なら知っている」という状態になる。
これをゼロからやろうとすれば、何年もかかる。
ところが、すでにブランドが完成している会社を買えば、その時間を一気に短縮できる。
つまりサンマルクHDが買っているのは、
「うどん店」だけではない。
ブランド。
顧客。
店舗網。
商品開発力。
運営ノウハウ。
知名度。
そして、
ここまでブランドを育てるために必要だった時間そのもの
を買っている。
M&Aを理解するうえで、ここは非常に重要だ。
128億円は「店舗の値段」ではない
ここをさらに考えてみたい。
仮に「つるとんたん」を単純なうどん店として考えたら、
「128億円?高すぎないか?」
という感覚になるだろう。
しかし、企業価値を考えるときには、店舗にある厨房設備やテーブルだけを見ているわけではない。
そのブランドが将来生み出すキャッシュフロー。
顧客基盤。
出店余地。
海外展開の可能性。
ブランド認知。
既存店舗の収益力。
他のブランドとのシナジー。
そういったものを含めて、
「この事業はこれからいくらの利益を生み出せるのか」
という未来への期待も含めて価格がつく。
だからM&Aでは、
「今いくら儲かっているか」
だけではなく、
「誰が持ったら、さらに価値を生み出せるか」
が重要になる。
同じ事業でも「持ち主」が変わると価値が変わる
ここが今回のニュースで最も面白いところだと思う。
「つるとんたん」というブランドそのものが突然変わったわけではない。
しかし、
KPGが持っていた場合と、
サンマルクHDが持った場合では、
将来の成長可能性が変わるかもしれない。
サンマルクHDには、すでに「京都勝牛」「牛かつもと村」などをグループに取り込んできた実績がある。
そして中期経営計画ではM&Aを成長戦略の一つに位置づけ、日本食を軸としたインバウンド需要や海外展開を狙っている。
そう考えると、
「つるとんたん」という日本食ブランドを、
サンマルクHDが持つ店舗運営・出店・海外展開の能力と組み合わせる。
これは単純な「うどん店の買収」ではなく、
既存ブランド × 大規模展開能力
という組み合わせなのだ。
「作る会社」と「育てる会社」は違う
今回のM&Aから、もう一つ重要なことが見えてくる。
企業には、それぞれ得意なフェーズがある。
ある会社は、
「ゼロからブランドを生み出す」
ことが得意かもしれない。
一方で別の会社は、
「すでにあるブランドを100店舗、200店舗へ拡大する」
ことが得意かもしれない。
さらに別の会社は、
「海外へ持っていく」
ことが得意かもしれない。
だから、ブランドを作った会社が、そのブランドを世界最大のブランドにする必要はない。
自分よりも得意な会社に渡すことで、そのブランドがさらに成長することもある。
これは経営者にとって、かなり重要な視点だ。
そして、これは大企業だけの話ではない
ここからが、このニュースを自分たちの仕事に置き換えるときに面白いところだ。
「128億円なんて、自分には関係ない」
と思ってしまう。
でも、実は逆だ。
M&Aの考え方は、個人事業や小さな会社にもそのまま使える。
例えば、
一人で飲食店を経営している人がいるとする。
その人が毎日現場に入り、
料理を作り、
接客をし、
SNSを更新し、
仕入れをして、
経理をして、
売上を作っている。
これは「仕事」ではある。
しかし、それだけでは、
その人が働かないと存在しない事業
になりやすい。
一方で、
ブランド名がある。
顧客リストがある。
SNSアカウントがある。
検索流入がある。
Webサイトがある。
マニュアルがある。
商品がある。
定期購入者がいる。
スタッフでも運営できる。
広告を止めても一定の集客がある。
こうなってくると、それは単なる「仕事」ではなく、
事業資産
になっていく。
「自分が頑張る」から「資産を育てる」へ
これは、事業を作るうえで非常に大きな発想の転換だ。
「今月いくら稼げるか」
だけを考えるのではなく、
「1年後に、誰かがお金を払ってでも欲しいと思うものを作れているか」
を見る。
例えばWebメディアなら、
記事を書いて広告収入を得るだけではなく、
検索流入。
SNSアカウント。
メールリスト。
ブランド。
独自データ。
読者コミュニティ。
商品。
企業との取引。
こうしたものを積み上げていく。
すると、売上だけでは見えない「事業価値」が蓄積される。
「売るために作る」のではない
ここは誤解しないほうがいい。
M&Aを目指すからといって、
「最初から売却するためだけに事業を作ろう」
という話ではない。
むしろ重要なのは、
「自分がいなくても価値が残るものを作る」
ことだと思う。
それを続けていった結果として、
自分で持ち続けてもいい。
別の会社と組んでもいい。
事業の一部を売ってもいい。
全部売ってもいい。
という選択肢が生まれる。
つまり、
売却可能性とは、事業の出口ではなく、事業の自立度を測る一つの指標
とも考えられる。
「つるとんたん」の128億円が教えてくれること
今回のニュースを、
「人気うどん店が128億円で買収された」
だけで終わらせると、単なる外食ニュースになる。
でも一段深く見ると、
「事業の価値とは何なのか」
という話になってくる。
KPGにとっては、
「つるとんたんを持ち続けること」
だけが成長ではなかった。
サンマルクHDにとっては、
「自社で新しいブランドをゼロから作ること」
だけが成長ではなかった。
両社にとって、
自分たちが得意なことに経営資源を集中する。
そのために、
ある会社は事業を売り、
ある会社は事業を買う。
この両方が成立するからM&Aが起こる。
そして、その中心にあるのは、
「会社を大きくする」
という単純な話ではない。
「誰が、何を持ち、どの能力を使えば、その事業の価値をさらに大きくできるのか」
という問いなのだ。
これからは「何をするか」だけではなく、「何を残すか」
個人が事業を始めるときも、
「何をして稼ぐか」
だけを考えがちだ。
でも、その先にもう一つ問いを置いてみる。
「今日の仕事の中で、未来にも残るものは何か?」
記事一本が、検索流入を生む。
顧客との関係が、次の商品につながる。
ブランドが、次のサービスを売ってくれる。
コンテンツが、寝ている間にも人を連れてくる。
仕組みが、自分の時間を解放する。
そして、それらが積み重なったとき、
「自分が働いた分だけ売上が立つ仕事」
から、
「過去に積み上げたものが、未来の売上を生み出す事業」
へ変わっていく。
「つるとんたん」の128億円という数字は、その極端に大きな事例にすぎない。
本質はもっと身近なところにある。
良い事業を作ること。
そして、
その事業を、自分がいなくても価値が残る状態まで育てること。
その先に初めて、
「持ち続ける」
「誰かと組む」
「一部を売る」
「全部を売る」
という複数の選択肢が生まれる。
経営とは、単に売上を増やすことではない。
自分の時間を使って、未来にも価値が残るものを作っていくことといえますね。


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